脚本家シム・ソンボが初監督を務めたサスペンス映画。
2001年に起きた“テチャン号事件“に着想を得て作られた韓国のサスペンス映画。
漁船の修理費用のために、中国人の密航の仕事を引き受けたが思いもよらぬ事態に陥り、追い詰められていく6人の船員たちの姿を描いている。
出演は『チェイサー』主演のキム・ユンソク、元東方神起、現JYJのパク・ユチョン。
漁船の船長チョルジュ(キム・ユンソク)たちは不漁に苦しみ、漁船の修理もままならないほどに経済的に追い詰められていました。
チョルジュは新人乗組員ドンシク(パク・ユチョン)以下5人の乗組員と、漁船修理の金の工面のため、中国人の密航を引き受けることとなります。
密航決行日の夜、中国船から飛び移る密航者たちの中で、若い女性ホンメ(ハン・イェリ)が海に落ちるトラブルが発生します。それを見てドンシクはとっさに海に飛び込み、ホンメを救出しました。
他の船が接近すると密航者たちは魚倉庫に匿われましたが、悪臭などの環境の悪さから、ホンメの気分が悪くなります。
ホンメに好意を抱いたドンシクは、誰にもわからないようにホンメを船の機関室に匿い世話を焼きます。
そこに今度は海洋警察の巡視船が現れます。また魚倉庫に入りたくない密猟者たちは不満を言いますが、チョルジュの暴力で渋々魚倉庫に入っていきます。
何とか警察たちを上手くやり過ごした乗組員たちは、魚倉庫の密航者たちに声をかけますが誰も返事をしません。
なんと魚倉庫のなかの冷凍機が故障してしまい、ガスによる中毒で密航者たちは全員死んでしまったのです。
そこでチョルジュは乗組員たちに、密航者たちの亡骸に刃を入れ魚の餌にするよう命じます。
霧に覆われた甲板で、ドンシクもホンメのことを勘付かれまいとみんなと同じように刃を振るいます。
全ての“処理”が終わると、乗組員のひとりが密航者たちの遺品を集め家族の元へ返そうと提案するのですが、船を守ることで頭がいっぱいのチョルジュによって殺されてしまいます。
身の危険を感じた他の乗組員のひとりが機関室に籠ろうとしたので、ホンメがひそんでいることが乗組員全員に知られてしまいます。
ドンシクはなんとか彼女を守ろうとして揉み合いになり、ひとりをあやまって殺してしまいます。
激高した他の乗組員たちから逃げ、ドンシクは海上警察を呼びます。
残された乗組員は狂いはじめ、ストレスを溜め込んでいた者が殺人を犯し、色情狂のようになってホンメを執拗に追いはじめます。
また、警察から逃げることが出来ないようにするためにドンシクが船を壊そうとすると、船に固執したチョルジュが襲いかかってきます。
そのような混迷状態で、海の上の深い霧の中、漁船は他の船に激突してしまいます。
浸水がはじまるも逃げ出さないチョルジュや狂った乗組員を乗せたまま漁船は沈みます。ドンシクはホンメと共に海に飛び込み、助かったのでした。
数年後、ドンシクは飲食店で子供を連れた女性を見かけます。ドンシクは女性から目が離せませんでした。
段々と狂っていく人物たちに引き込まれていく作品です。内容は脚色されているものの、実際に起こった事件から着想を得ているということです。